パワーポイントでプレゼン資料をつくるのに時間がとられる……。
そんな悩みを抱えているビジネスパーソンが増えています。そこで、ソフトバンク在籍時に、最速で「一発OK」を勝ち取るプレゼン資料をつくるノウハウを磨き上げた前田鎌利さんにまとめていただいたのが、『パワーポイント最速仕事術』(ダイヤモンド社)です。
「パワーポイント最速仕事術」のポイントは2つ。
まず、「優れたスライドの型」を把握することです。見た瞬間に内容が理解できるスライドには、「テキスト」「図形」「グラフ」「画像」「アニメーション」などの「型」があります。その「スライドの型」をゴールにすれば、いちいち「どのようなスライドにしようか?」と悩む必要がありません。
次に、その「スライドの型」を最速でつくるパワーポイントの操作法をマスターすることです。パワポには多くの機能がありますが、「スライドの型」をつくるために必要な機能はごくごく限られています。その限られた機能をマスターするだけで、「一発OK」がとれる優れたプレゼン資料があっという間に出来上がるのです。
そして、『パワーポイント最速仕事術』では、「スライドの型」と「その型をつくるためのパワーポイントの操作法」を、ビジュアル満載で紹介しています。本連載では、その一部を抜粋しながら、優れたプレゼン資料を「最速」でつくるノウハウを解説してまいります。
プレゼン資料では、図形を頻繁に描画する必要があります。
ここで面倒なのは、パワーポイントでは、図形を描画すると、下図のように、「青の塗りつぶし」と「青の枠線」がデフォルトで設定されていることです。
私は、多くの図形は「塗りつぶしなし」「黒の枠線」で使用することが多いため、図形を描画するたびに「塗りつぶし」「枠線」の設定を変更する必要があります。これにストレスを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そこで重宝するのが、「既定の図形に設定」という機能です。この機能を設定すれば、パワポを立ち上げて、最初の図形を描画したときに、以後、すべての図形を自分が使いやすいスタイルで描画されるように設定できるのです。
設定方法は簡単です。
下図のように、描画した図形を選択して右クリックし、「既定の図形に設定」を選択するだけ(枠線の「カラー」「太さ」「線種」なども設定できます)。皆さんも、使いやすい図形スタイルを「既定の図形に設定」にすると、プレゼン資料をつくるストレスが軽減されるでしょう。
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なお、この「既定の図形に設定」で設定した図形スタイルは、新規で立ち上げたパワポには反映されません。図形スタイルをデフォルト設定にしたい場合は、そのスタイルに設定したテンプレートを作成するとよいでしょう。その方法は、『パワーポイント最速仕事術』で詳しく説明していますので、ご参考になさってください。
【連載バックナンバー】
■相手の心を動かす「白抜きスライド」という手法
■わかりやすいプレゼン資料をつくる「グレーアウト」という技術とは?
■「プレゼン資料のプロ」が、キーメッセージを“やや上”に置く理由
■パワーポイントで初期設定されている「フォント」を「プロ」が絶対に使わない理由
■「プレゼン資料のプロ」が、パワーポイントを立ち上げて最初にする「意外なこと」とは?
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
2016年株式会社固を設立。ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業者、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。プレゼンテーション協会代表理事、サイバー大学客員講師、情報経営イノベーション専門職大学 客員教授なども務める。