認知症カフェ最大手
Dカフェの取り組み

 Dカフェは、スタート当初から東京都の助成金を受けている。300万円台で始まり、3年目には400万円に、4年目を迎えた2017年には目黒区からの補助金は100万円となったため、東京都が同額を出し、合計200万円を得ている。

 この間に、「Dカフェ」は、14年7月に民間デイサービスのデイルームで2号店の「ニコス」を開設(その後閉鎖)、15年3月に日扇会第一病院が運営するデイサービスで「リハビリ工房」を立ちあげた。以降、病院の会議室や特別養護老人ホームの多目的室、有料老人ホームなどで次々と開いてきた。

 なかでも、異色なのは居酒屋での開設だ。東急目黒線西小山駅近くの商店街の中にある居酒屋、養老乃瀧西小山店の営業前の時間を使う。定例の第4日曜日、8月23日に訪ねた。

認知症の人や家族の暮らしに知恵を出し合う場「認知症カフェ」とは居酒屋で集まるユニークな「Dカフェ・YORO」

 午後2時半になると、奥の個室に参加者がやってくる。「Dカフェ・YORO」の始まりだ。スタッフの看護師、野出典子さんが「店長」として采配を振う。両親を介護中の男性、認知症の母親と一緒に来た女性、認知症の妻を介護中の男性、それに代表の竹内さんなど10人近くがテーブルを囲んで話し出す。

 始まりの挨拶はない。決まったイベントもない。会話に徹するのがDカフェの方針である。

 そこへ、「友人から知らされて」と初参加の男性が顔を出す。すかさず、竹内さんが「何か飲まれますか」とやさしく声を掛け、他の参加者の輪の中に巧みに溶け込ませてしまう。「認知症の診断を受けて、どこに相談に行けばいいのか分からなかったので」「仕事や生活の中で、手順を忘れてしまう。やるべきことの3つ目ぐらいから危うくなって」との語りに、「そうですか」と相槌を打つ野出さん。