インフルエンザの予防接種「子どもは後回し」でいいのか
インフルエンザの予防接種「子どもは後回し」でいいのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

10月1日はインフルエンザの予防接種の解禁日。今シーズンの予防接種について、厚生労働省は定期接種対象の65歳以上の高齢者を優先し、それ以外の希望者には接種を待ってもらう方針を発表している。つまり、「子どもは後回し」という格好だが、この方針は高齢者への感染リスクを考えた場合、臨床医として非常に不安と疑問を感じる。その理由と問題点を指摘したい。(ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

進まぬ小児のインフル接種助成
さらに開始時期を遅らせる政策

 インフルエンザの予防接種シーズンが始まろうとしている。解禁日は毎年10月1日。ただし、今年は去年までと“ルール”が異なるようだ。遡ること1カ月、厚生労働省は定期接種対象の65歳以上の高齢者を優先し、それ以外の希望者には接種を待ってもらう方針を発表した。メディアでも大きく報じられたので、認識されている方は多いだろう。

 その結果、日本感染症学会が「接種が強く推奨される」とした「医療関係者、高齢者、ハイリスク群(妊婦等)、小児(特に乳幼児〈生後6カ月以上〉から小学校低学年〈2年生〉)」のうち、高齢者以外は事実上、優先的な接種が保証されない状況となりつつある。

 この政策が本当に吉と出るのか。高齢者を守るための施策が、かえって高齢者をリスクにさらすことにならないか。毎年インフルエンザの予防接種と診療に追われてきた臨床医として不安を覚えた。