マイクロソフトは共同作業ツール「チームズ」をアップデートし、通勤に代わる機能を追加する計画だ。通勤は、新型コロナウイルスの感染拡大でなくなったが、あまり惜しまれていないものの1つだ。
日々の通勤は頭痛の種の1つであったかもしれないが、少なくとも仕事の始まりと終わりの区切りを付け、家庭や職場から頭を切り替えるのに役立っていた。マイクロソフトは、そうした通勤のプラス面を再現することを目指している。
来年提供されるチームズのアップデートによって、勤務時間の始まりと終わりにバーチャルな通勤を組み込めるようになる。といっても、午前8時や午後6時の満員電車や交通渋滞を仮想世界で再現するものではなく、朝には目標設定を、夕方には1日の振り返りをそれぞれ促す機能だ。
チームズを手掛けるマイクロソフト365部門で職場分析と生産性分析ツール「マイアナリティクス」担当ゼネラルマネジャーを務めるカマル・ジャナルダン氏は、バーチャル通勤機能は、健康向上に関わる分野へのチームズの進出を象徴するものだと述べた。マイクロソフトはこれまで社員の連携や生産性を促す機能に焦点を当ててきた。
ジャナルダン氏は「世界中の企業が今、当社に対して『健康を優先事項の1つに据えなければ、組織的な回復力は確保できない』と話している」とし、「マイクロソフトには、社員が日々のスケジュールを改善し、最善を尽くせるよう促す製品を企業に提供する役割があると考えている。それは責任感に近いものだ」と述べた。
リモートで働く社員の連携向上を目指す企業の間で「ズーム」などのライバル製品の人気が高まっていることを受け、 マイクロソフトはチームズの改良に力を入れている。ここ半年、ビデオ通話で背後の雑音を削減する機能をはじめ、在宅勤務の悩みを軽減する複数のアップデートを発表している。