米国民は国家的な転換点をそれが訪れた年で定義する。1861年にはエーブラハム・リンカーンが大統領に就任し、南北戦争が始まった。世界大恐慌が最も深刻な局面を迎えようとしていた1932年には、フランクリン・ルーズベルトが大統領に当選し、民主党支配による新たな時代を切り開いた。エネルギー危機やスタグフレーション(不況と物価上昇の併存)で米経済が凍り付いていた1979年には、イランの学生がテヘランの米大使館を占拠し、旧ソ連はアフガニスタンに侵攻。国民の間で絶望感が漂い、その後のロナルド・レーガン大統領による保守派の革命に道を開いた。こうした転換点は、一つの衝撃的な出来事が発生した時ではなく、そのような出来事が次々と積み重なった時に起こる。その定義に照らし合わせると、2020年もまさにそうした局面を迎えている様相を強めているようだ。
2020年は米国史の転換点、前方は視界不良
転換点では時の大統領や与党に厳しい審判が下る傾向がある
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