にもかかわらず、消費者や飲食店の都合は優先されず、委託事業者の都合が優先されてしまった。そこで最優先されたのは、恐らくできるだけ多くの利益を確保することだろう。

 次回に触れるが、Go To イートは、ネット弱者、スマホ弱者の中高年には、非常に不利なキャンペーンになっている。これも、委託事業者の都合ばかりを優先した結果である。

 多額の税金を使うキャンペーンである以上、国(農水省)は「委託すれば、あとは関係ない」と知らんぷりをしていて良いものではない。飲食店や消費者にとって、公平で使いやすいキャンペーンになっているのかを、実施される前からチェックし、問題があればその都度、改善するように指導しなければならない。

 いつものことだが、国は「やらないよりやった方が良かった」「少なからず景気回復には寄与した」という常套句で締めくくり、中間事業者をもうけさせる施策に取り組んでいくのだろう。

 上記に述べた通り、食事券の給付金を増額しなければ、東京都を筆頭に不平、不満が農水省に殺到する可能性があった。給付金を101億円増額したということは、全国の飲食店合計で、売り上げを505億円積み上げたことになる。

 確かに、消費者にとっても飲食店にとっても、利用しやすい食事券を増やすことはうれしいことだが、税金の使い方が「農水省の裁量で、いとも簡単に100億円が増減される」というのは、決して望ましいことではない。日本特有の裁量行政ということになるが、こうしたことがあるから、事業者は常に霞が関の顔色をうかがっていなければならないのだ。

 そもそも、特定のサイト事業者だけを参加させる「オンライン予約」は、誰がどうして必要だと決めたのだろうか。そこがまったくわからないのが日本の政治なのだろう。

(消費者問題研究所代表 垣田達哉)