「グリーン水素」をめぐる機運は高まるばかりだが、現在供給されている水素の多くは明らかにグリーンではない。水素のクリーン化を達成するまでの道のりは長い。水素に関する発表が相次いで伝えられている。今週だけでも、英国の「石油の都」アバディーンには水素駆動の2階建てバスが到着し、韓国の現代自動車はスイスに燃料電池搭載の運搬トラック7台を納入したという。トヨタ自動車は日野自動車と提携して、米国向けに水素燃料による大型トラックを開発する。水素燃料電池車の使用で排出ガスは発生しないが、水素の製造過程では発生する。つまり、これらのプロジェクトのグリーン認証はすべて、クリーンな水素燃料を確保できるかどうかにかかっている。差し当たり、量は非常に限られている。エネルギー分析会社ライスタッド・エナジーの調査によると、世界では現在60ギガワットを超える規模のグリーン水素生産が計画されているが、2035年までに利用可能になるのはその半分に満たないという。バンク・オブ・アメリカによれば、現在、世界の水素の製造は、航空業界よりも多くの二酸化炭素(CO2)排出をもたらしている。