かつて新興国だった
日本企業にも大きな可能性がある

 課題が多いからといって、不可能だとあきらめてはいけません。振り返ってみれば、日本企業はいく度も難しい課題を克服してきました。戦後間もないころ、「安かろう、悪かろう」という評価しか受けなかった日本製品や日本企業は、試行錯誤を重ねながら、世界でのし上がっていきました。

 日本企業の戦後の発展プロセスは、リバース・イノベーションのそれとよく似ています。ゴビンダラジャンらの言う「新興国の巨人の成功」は、敗戦の中から立ち上がってきた、かつての日本企業の姿を彷彿とさせます。言い替えると、リバース・イノベーションは、かつて日本企業が最も得意としたこと、と捉えられるかもしれません。

 リバース・イノベーションを実行できれば、新興国市場はもちろんのこと、成熟した先進国市場にも風穴を開ける、大きなチャンスとなるはずです。変革なくして生存はありません。自分たちの生き残りをかけた課題として、チャレンジ精神を持って向き合えば、必ず競争力の向上につながるでしょう。

 では、ゴビンダラジャンの動画をご覧ください。原動画は2011年3月に公開されたものです(慶應義塾大学ビジネス・スクール教授 小林 喜一郎)。


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なぜ、リバース・イノベーションは、<br />世界中から注目されるのか?<br />――小林喜一郎 定価1890円
ISBN 978-4-478-021651

『リバース・イノベーション――新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき
ビジャイ・ゴビンダラジャン+クリス・トリンブル著 渡部典子訳 小林喜一郎解説
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これまで誰も提示したことのない戦略の新領域「リバース・イノベーション」の、世界で最初、かつ現時点で唯一の本です。「途上国で最初に生まれたイノベーションを先進国に逆流させる」という、従来の流れとまったく逆のコンセプトであり、時に大きな破壊力を生み出します。本書はリバース・イノベーションのインパクトとメカニズムをシンプルな理論と豊富な驚くべき企業事例で紹介しています。
ウォール・ストリート・ジャーナル ベストセラーリスト1位、USAトゥデイ ベストセラーリスト1位、バーンズ&ノーブル ベストセラーリスト1位、アマゾン・ドットコム 1位(ビジネス)、上海デイリー1位、ライブミント(インド)1位など、全世界の話題をさらったベストセラーの邦訳です。

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◆主要目次
【第1部】 リバース・イノベーションへの旅
  第1章 未来は自国から遠く離れた所にある
  第2章 リバース・イノベーションの5つの道
  第3章 マインドセットを転換する
  第4章 マネジメント・モデルを変えよ
【第2部】 リバース・イノベーションの挑戦者たち
  第5章 中国で小さな敵に翻弄されたロジテック
  第6章 P&Gらしからぬ方法で新興国市場を攻略する
  第7章 EMCのリバース・イノベーター育成戦略
  第8章 ディアのプライドを捨てた雪辱戦
  第9章 ハーマンが挑んだ技術重視の企業文化の壁
  第10章 インドで生まれて世界に広がったGEヘルスケアの携帯型心電計
  第11章 新製品提案の固定観念を変えたペプシコ
  第12章 先進国に一石を投じるパートナーズ・イン・ヘルスの医療モデル
  終章 必要なのは行動すること
  付録 リバース・イノベーションの実践ツール
       ネクスト・プラクティスを求めて