ゆえに、ましてや営業職として社外の人と世間話をするのは格段に難度が高い仕事と彼らは感じています。以前なら上司が、

「打ち合わせが延びてしまったので、アポイントに30分くらい遅れそう。悪いけど、世間話でもして時間をつないでくれないか?」

 と部下に指示すれば、当たり前のように世間話で場をつなげたものでした。

 ところが最近は、遅れた上司が到着すると、「応接室でお客様と部下が重苦しい雰囲気で黙って待っていた」などという、笑えない話を聞いたりする時代になりました。それだけ、20代の社員にしてみれば世間話は簡単なことではないのです。

 しかし実際、それに気づかず、部下に取引先との商談を任せたために、痛い目にあった上司がいました。

初対面で自己紹介なくいきなり商談
「担当を変えてくれ!」の言葉に上司は…

 損保会社に勤務するDさんは、ある日突然、取引先から連絡を受けました。その内容はクレームでした。

「君の部下でT君という若手営業がうちの担当になったのだが、悪いが変えてくれないか?でないと、一切の取引をやめることにしたい」

 言葉は選びつつ、丁寧ながら、怒りに震えているのがわかります。そこで詳しく内容を伺ってみると、この秋から担当が変わり挨拶に行った際に起きた事件が原因のようでした。

「この度、御社の担当をさせていただくことになりました。よろしくお願いします。早速ですが、新たにご提案したいことがございます。本日は提案書を作成してまいりました。簡単に説明させていただきます」

 いきなりこう切り出したTさん。この様子に相手はビックリ。何か自己紹介があるに違いない、あるいは新たな担当としていろいろ質問を準備しているはず…とお互いが理解しあえるための話題を提供してくると思い込んでいました。これまでの新任担当は当たり前のようにそうしてきたからです。ところがTさんは違いました。

 少々戸惑ったその取引先は、

「いきなり提案はいかがなものじゃないかな?」

 と切り出しました。すると、Tさんは困った顔をして、

「では、どうしたらいいのでしょうか?」

 と返答。自分は間違っていないとでも言いたいような態度です。この態度に取引先はついにキレてしまいました。