病気を遠ざける「免疫力」は腸で作られるため、腸内環境をよくする食品をとることが重要、というのは、81歳の免疫専門医である藤田紘一郎氏の弁。いわく、健康長寿のために勧める食品には、野菜、発酵食品、肉や魚の骨から出るだしなど。それらの食品をスープでとるメリットは、体調が悪くても年をとっても体に吸収しやすいことです。
ウィズコロナの時代を生きるすべての人に手に取っていただきたい最新刊『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』では、著者自身も毎日飲んでいる究極のスープはじめ、おいしく続けるための73レシピを紹介している。
この連載では、自分で免疫力を高める食事の法則や、著者が勧める『長寿スープ』のレシピなどをお伝えしていきます。
食べやすく
体に吸収されやすい
じっくり煮込むことで、うまみや栄養の溶け出たスープはもちろん、食材もすべて消化のよい状態になっています。つまりスープにすることでさまざまな栄養が、胃や腸に負担をかけることなく、スムーズに体内に吸収されやすくなります。
胃腸の弱い方や、食欲のないときにも取り入れやすいので、毎日続けやすいというメリットもあります。
食材の栄養を丸ごと
ムダなく吸収
食材の栄養素や成分には、水溶性のものが多くあります。ゆでたり煮たりすることでそれらは溶け出してしまいますが、煮汁ごといただくスープなら、それらを逃すことなく、ムダなく吸収できます。
煮込むことで野菜がやわらかくなり、かさも減るため、ムリなくたっぷり食べられるのもスープのいいところです。食欲のないときは煮汁だけ飲んでも栄養がとれます。
料理が苦手でもOK
煮るだけでおいしい
スープ作りは難しくありません。具材を鍋に入れ、あとは鍋まかせでことことと煮込むだけででき上がります。肉や魚のうまみ、野菜の甘みがたっぷりと溶け出てくるので、ほんの少しの調味料を追加するだけで、充分おいしいスープになります。
料理が苦手だったり、忙しくて手の込んだものは作れないという人でも大丈夫! より簡単な「お助け長寿スープ」も紹介しています(36~39ページ)。こちらは火を使わずに、混ぜるだけのお手軽スープです。ぜひ試してみてください。
冬は温かく、夏は冷やして
体の内側から体温調節
具だくさんの温かいスープは、体を内側からじんわりと温めてくれます。体が温まると血行がよくなり、内臓の働きがアップ。体調を整えてくれます。
体に熱がこもりがちな暑い季節には、冷やしておいしいスープや、ヨーグルトやフルーツベースの冷たいスープもおすすめです。体の余分な熱を取り除いてくれるだけでなく、さまざまな栄養とともに汗で失われる水分を補給することにもつながります。体温調節のできるスープは、一年中楽しむことができます。
本原稿は、藤田紘一郎著『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』の冒頭からの抜粋です。『免疫専門医が毎日飲んでいる長寿スープ』では、腸内環境を整えて免疫力を高める「長寿スープ」のレシピがたっぷり収録されています。ウィルスが蔓延するこの秋冬、免疫力を高めて病気にならない体を手に入れてみませんか?(次回に続く)