スパイの疑いに負けず
2度目の申請で帰化

 新聞、雑誌、テレビ、インターネット等、日中双方のメディアで活躍する李は、これまでスパイと揶揄されることも多かった。

「中国では日本のスパイ、日本では中国共産党のスパイとたたかれた。一々否定するのも面倒になって、ある頃から『私、二重スパイなんです』と言うようになりました(笑)」

 そんな李に帰化した経緯を尋ねると、急に目を輝かせて、早口で語り出した。

「私、今、日本人だよ。もうガイジンじゃない。あなたと立場は同じですよ」

 これほどまでうれしそうに帰化の事実を語ろうとする人も珍しい。李はこれまで2度、「帰化許可申請」を行ったことがある。1度目は1997年、次が2015年で、2度目にして正式に帰化が認められた。ではなぜ1度目は認められなかったのか。

「法務省は許可、不許可の理由を明らかにしません。聞いても教えてくれない。でも、帰化の条件みたいなものがあって、それに照らして考えてみると、1度目の申請のちょっと前に交通違反で減点になったことがあったの。当時は2点以上の減点があると許可が下りなかった。それでおそらくハネられちゃった」

 外国人が日本に帰化するには、まず法務局へ行って「相談」することが求められる。そこで係官と面談し、帰化が許可される条件や必要書類などが教示される。その時点で条件から外れる何らかの問題が明確になると、係官から「今回は見送ったほうがいい」などと言われ、一方、問題がなければ「では、申請に向けて書類を準備してください」といった案内がなされる。李は1回の免停で涙をのむことになった。

 ではここで、外国人が帰化をする場合の7大条件といわれるものを見ておこう。