静岡県の抵抗に遭うリニア中央新幹線計画
都市部の大深度地下工事は大丈夫なのか!?

 ネクスコ東日本が記者会見を開いたまさに同じ日である10月19日、JR東海は山梨県の施設で、リニア中央新幹線の改良型の試験車両を報道機関に公開した。

 リニア新幹線を巡っては、静岡県の川勝平太知事が、静岡工区のトンネル工事の影響で大井川の水の流量が減少する懸念があるとして、流量の確保を強く求めている。さらに「リニア計画に反対しない」としながらも、環境保護などを理由に計画の大幅な見直しを訴えている。

 トンネルなどの土木工事では、地下水の管理が最大の課題であり、事前に地下水の動きや、掘削工事による流れ方と流量の変化を予測し、工事の最中にこれを管理することは極めて難しい。

 だからこそ、国やJR東海は静岡県に対して有効な解決策を打ち出せず、静岡県側も納得する姿勢を見せないという面がある。

 一方でリニアの計画路線では、静岡工区のような山岳トンネルではない都内や神奈川県、愛知県内は、外環道と同様の工事を予定。住宅地や商業地の下の40メートル以上の大深度地下をシールドマシンで掘り進んでトンネルを通すことになる。こうした工事については従来、強い不安を訴える声は上がってこなかった。

 ちなみにリニアの首都圏の地下トンネル工事に用いられるシールドマシンの直径は14メートルと、こちらもかなり巨大だ。

 繰り返すが、今回の調布市での道路陥没と、外環道でのシールドマシン工事との因果関係は現時点では不明だ。逆に因果関係が特定されなければ、都内や神奈川県内などのリニア工事でも、地表部の地盤が弱い箇所で陥没事故が起きるのではないか――。このような不安が沿線住民に付きまとい続けることになる。

 調布市の道路陥没現場は、砂を積んだダンプカーが列をなし、夜を徹した作業で、翌19日にはとりあえずふさがれた。とはいえ、付近の住民やリニア中央新幹線計画にまで飛び火した不安の穴をふさぐには、しばらく時間がかかりそうだ。