また、上図2011年のランキングを見ると、ジョン・ポールソンが凋落する一方で、ジェームズ・シモンズや、ケネス・グリフィン、スティーブ・コーエンらは、相変わらず数百億円~数千億円をひとりで稼いでいることがわかる。

 トップのレイモンド・ダリオは、マクロ経済の方向に賭けるのを得意としている。欧州債務危機などを正確に予測し、すばらしいパフォーマンスを出した。

 3位のカール・アイカーンは、日本のかつての村上ファンドのように、投資した会社にいろいろ注文を付けて価値の増加を図るのを得意としている。2011年は大量保有していたモトローラ株をグーグルに高値で買わせて大儲けした。

 2011年に一番稼いだハリウッド・スターはトム・クルーズの7500万ドルで、約60億円である。ヘッジファンドのトップの年収がハリウッド・スターのトップの年収の50倍もあり、金融関係者としては嬉しい限りである。

 ヘッジファンド業界のほんの一握りのスターたちは、バブルが崩壊した後もその報酬をそれほど減らしていないようだ。マーケットが上がっても下がっても儲けるヘッジファンドの面目躍如といったところだろう。

 <第3回は明日26日公開の予定です。>


◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆

『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』
好評発売中!

世界同時金融危機からユーロ危機に至る最近のマクロ経済の重要なトピックの解説を縦糸に、そして激変する金融業界の赤裸々な内幕――人事制度、報酬やリストラ、そこで働く人の人となりやキャリアなど――を横糸にして、これからの金融の行方を解説。身も蓋もなく、苦笑せずにはいられない人気ブロガーの筆致が冴えわたる。
ご購入はこちら! [Amazon.co.jp][紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス]