「じっさい、きみを迎えにきて、行くべき場所につれていってくれるんだ。最善をつくして自然の法則にしたがって生活していれば、最初は災いのように見えても、くるものはすべて恵みである

「とても力強いアイディアですね、ジュリアン。ということは、手放すこと、目標のない人生をおくること、その瞬間に屈することについて話しているいわゆるスピリチュアリストたちは、じつは脅えているわけだ。彼らは平凡にふるまい、恐怖に人生を支配されるがままになっている。バランスがとれていない」ジュリアンが教えてくれたばかりのことをうまく要約しようと努めながら、わたしはいった。

「そうだ。彼らの多くにとって、“スピリチュアリティ”とは、自分のなかで主導権を握っている脅えた小さな子どもを守るために身につける仮面にすぎない。彼らは、失敗するのではないか、力不足ではないか、道は困難かもしれない、と恐れている。だから、いかなる責任も負わないように弁解する。星の位置や、占い師のいうことが自分の運命だと信じて、人生を決めてしまう。

 誤解しないでほしいんだが、わたしはインドで、占星術は信頼できるすばらしい科学であることを学んだ。実を結んで、何千年も使われている。だが、ほんとうにすべてはバランスの問題なんだ。人生を占星術で完全に支配してしまったら、犠牲者ごっこをすることになる。自分の不機嫌や失敗を、星のならび方のせいにしてしまったら、この世の人間としてあたえられた能力をむだにすることになる」……

 ジュリアンはわたしをドライブに誘うと、そろそろ目覚めの七段階に関しコーチをはじめる時期がきたと、七つのステップについて話しはじめた。

「目覚めの七段階は、最高の人生をおくり、運命への道を歩くための、きわめて重要なプロセスなんだ。七つのステップは、最高の自分を呼びさまし、きみをこの世におくりだした力から可能性をあたえられていることを明示するための青写真だ。いまの世の中でその七つのステップを知っている人はほとんどいないが、すぐに変わるだろう」ジュリアンは謎めいた口調でいった。「七つのステップは、あらゆる探究者が本来の姿――純粋無垢だったときに最初に経験する、頭、体、心の状態――にもどるために通る必要がある道を反映している」

「七つのステップをすべて終えたら、わたしはどんな人間になっているんですか?」わたしは希望をこめてきいた。