コロナ禍で売り上げが低迷するコンビニ業界。そうした中、セブン-イレブン・ジャパンが8~9月の2カ月連続で既存店売上高の前年同月比でプラスに転じてきた。まだファミリーマート、ローソンは水面下にあるが、実はこのセブンの早い立ち直りの裏にはこれまで着々と進めてきた秘策が潜んでいた。(流通ジャーナリスト 森山真二)
セブン-イレブンは
2カ月連続で既存店売上高が改善
今年3月、コロナ禍でコンビニ業界全体が暗いムードに包まれていた。既存店の売上高はセブン-イレブン・ジャパンを筆頭に減少、2位のファミリーマート、3位のローソンは4月以降、2ケタ減など大幅な落ち込みが続き、当時は「このままコンビニの売り上げは元の状態に戻らないのではないか」(ある小売業幹部)という笑えない話も飛び出していた。
そのコンビニの既存店売上高はいまだに、セブン-イレブンを除いて水面下という状況だ。
ひところの2ケタ減という状態ではないが、今年9月もファミリーマートが前年同月比4.7%減、ローソンが5.5%減となっており、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった今年3月ごろから一貫して浮上の兆しが見えない。