コロナ禍は外食店、コンビニ、さらにビジネスホテルと、日本の流通、サービス業界の代表的な3つの業種の過剰状態を浮かび上がらせた。過剰状態のツケは末端の店舗や従業員に負担を強いる仕組みを生んでいる。「コロナの余波が続く中、過剰状態解消、規制強化へと動かざるを得ないのではないか。規制緩和ばかりが能ではない」(ある経営コンサルタント)という声も高まっている。(流通ジャーナリスト 森山真二)
コロナ禍でダメージを受けた
コンビニ
「日本は(小売りの)プレーヤーの数が多すぎる」(岡田元也イオン会長)はかつて、こう話したが、コロナ禍で改めてそれが浮き彫りになった。
外食店はギリギリの収益状況の中で、外出自粛があと1カ月も続いたら、ばたばたと倒れる店舗が頻発していただろうし、コンビニだって今以上の苦境に追い込まれていたに違いない。
例えば、大手コンビニの4月の既存店売上高は「巣ごもり」で売上高を伸ばす食品スーパーとは対照的に軒並み減少した。
セブン-イレブン・ジャパンこそ前年同月比で5%減にとどまっているが、業界2位のファミリーマートは同14.8%減、ローソンは同11.5%減だった。