「鬼滅」のファンは、日本だけにとどまらない。

 ロサンゼルス在住のジャーナリスト・千歳香奈子さんの説明。

「こちらでは『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』というタイトルで英語版も出版されており、アニメはNetflix、Hulu、Amazonで昨年から配信されている他、テレビでも19年10月からカートゥーン・ネットワーク(アニメ専門チャンネル)で英語吹き替え版が全米放送されて人気です。アニメのシーズン2の放送を期待する声も多く出ています」

 それだけに、今回のヒットはアメリカでも大きな話題だ。

週刊朝日 2020年10月30日号週刊朝日 2020年10月30日号
定価410円
(朝日新聞出版)

「ロサンゼルスの映画館はもう半年以上閉鎖されたままですし、他の地域でも映画館の7割ほどが営業を再開したとはいえ、配給会社は新作映画の公開を見送っています。『ニューズウィーク』をはじめ、娯楽誌『バラエティ』、経済誌『フォーブス』など多くのメディアが、アメリカの現状と比較する形で『鬼滅の刃』の大ヒットを取り上げました。『バラエティ』は21年初旬に映画版のアメリカ公開が決まったと伝え、ファンの間では盛り上がっているようです」(千歳さん)

「鬼滅」は、困窮する映画界の救世主となった。

「緊急事態宣言解除後も、全国の興行収入は前年同時期の1割~2割程度でずっと推移していた。7月に『今日から俺は!!劇場版』がヒットしたのをきっかけに映画館に徐々に人が戻り、お盆シーズンにようやく前年の半分くらいに。そんな苦しい状況のなか、先週末は対前年比約1.5倍だったんです」(前出・映画関係者)

 1作品の力で、映画館を正常な状態に戻した。業界を救った作品として、映画史に語り継がれるに違いない。

(本誌・菊地武顕)

※週刊朝日オンライン限定記事

AERA dot.より転載