それでは室内を何度にしたらいいのか。

 それはずばり、18度以上だ。

 実際、WHO(世界保健機関)は2年前に、「冬の室内温度として18度以上」を強く勧告している。18度を下回ると循環器疾患、16度を下回ると感染症などの発症や転倒、怪我(けが)のリスクが高まると指摘しているのだ。

 ぜひ室温計を置いて確かめてほしい。実は国土交通省が国内の平均年齢57歳の住居2190戸を冬季に調査した結果、各部屋の平均室温は

 居間:16.8度
 寝室:12.8度
 脱衣所:13.0度

 であることがわかった。

 なんと居間では6割、寝室や脱衣所に至っては9割の家が18度に達していなかったのだ。暖房を使ったとしても、断熱性能が高い最新住宅(2016年以降の建築物)でないと冬場に18度にはなかなか達しない。

 室温が18度に達しないと具体的にどの程度の“負の影響”があるのか、伊香賀教授らの長年の研究によってさまざまなことが明らかになっている。

 例えば、高血圧発病確率。夜中の0時の時点で居間の室温を18度以上に保てていた人の高血圧発病確率に対して、18度未満の家に住む人は高血圧を6.7倍も発症しやすいという結果。発病確率でなく死亡確率で見ると、夜間室温が9度未満の室内環境で生活している人は、9度以上の室内環境で生活している人よりも4年間で循環器疾患で死亡するリスクが4.3倍高くなることがわかった。

「これらの研究は年齢や性別、職業、喫煙、飲酒、食事の味付けなどはすべて調整してあります」と伊香賀教授。

 つまり、“室温のみ”で、ここまでの差が出てしまうということだ。