新たな価値で未来へつなぐ酒造り!
根知谷で完結するドメーヌ酒蔵
「酒造りは根知谷を守るため。この谷で完結する酒蔵です」と、渡辺酒造店6代目の渡辺吉樹さん(「吉」は「土に吉」、以下同)。
蔵が立つのは日本百名山の雨飾山を水源とする根知川の扇状地。谷は東西に開けて、緩やかな傾斜地が続く。日照に恵まれ、冬は雪が多く水量も豊富。海に近く昼は海から山へ向かって風が吹き、夜は山から吹き下ろす、寒暖差も十分な酒米作りの好適地だ。
吉樹さんが蔵を継いだ33年前、日本酒の工業化が進み、消費者の酒離れが始まった。小さな蔵にできることを模索し、テロワールとビンテージを誇れる酒造りへと舵を切った。