「冷房と暖房を両方かける」――。そんな言い回しで「Go Toトラベル」キャンペーンを強く批判していた小池百合子東京都知事だったが、何の説明もないまま容認に転じ、都独自の補助までしている。さらに、新型コロナウイルス対策の検証に関する民間調査への協力姿勢についても疑問符が付いている。小池知事は今、2つの問題について説明責任が問われている。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

「冷房と暖房を両方かける」
Go Toトラベルへの皮肉はどうなった

小池知事の手元には、付箋を貼られた想定問答などの紙がぎっしり Photo by Satoru Okada

「冷房と暖房と両方をかけることについて、あのー、どう対応していけばいいのか」――。

 菅義偉官房長官(当時)が新型コロナウイルスの感染拡大について「圧倒的に東京問題」と発言したことに対し、東京都の小池百合子知事が、菅氏肝いりの「Go Toトラベル」キャンペーンを取り上げて、こう皮肉ったのは7月の中旬だった。

 政府は同月22日から始めたキャンペーンで都民と都内だけを除外。都内の感染者の増加傾向を理由としたが、菅氏と小池知事との“仲たがい”が原因との見方がもっぱらだった。

 菅氏はその後、安倍晋三前首相の突然の辞任によって第99代首相に就任。10月26日の臨時国会で初めての所信表明演説を行った。8月以降の政治変動で小池知事の発言は忘れられた感もあるが、Go Toトラベルキャンペーンによって全国の観光地は活況を呈し、10月1日から都内・都民も対象に追加された。

 さらに都は、小池知事自身の7月の発言とは裏腹に、都内で1泊5000円、日帰りなら2500円をGo Toへ上乗せして補助する都内観光促進事業「もっと楽しもう! TokyoTokyo」を10月23日から始めた。

 小池知事はどこかのタイミングで“心変わり”が生じたようだ。ただ少なくとも8月までは、経済よりも感染防止を優先する姿勢だったことが記者会見の発言などからうかがえる。