人は誰のために仕事をするのか

 ――人は、なぜ、仕事をするのか?

 何と答える? 

 夢と希望を抱く就活中の学生とビジネスキャリアを積んだ社会人では、多少は回答が異なるだろう。でも、おそらく共通してダントツに多い回答は、「生活のため」となるに違いない。ごもっともだ。反論の余地なし。

 では、もう一歩踏み込んで聞いてみたい。

 ――あなたは誰のために仕事をするのか?

 さて、どう答える?

 僕の関心は、この一事にある。

 「誰のため」を「何のため」と言い換えても結構である。自分のため、家族のため、会社の発展のため、社会に貢献するため、等々いろんな意見があっていい。勿論、多様な価値観があっていい訳だから、どれが正解で、どれが不正解、というものでもない。でも、同じやるなら、僕らは一流を目指し、最高の結果を求めようではないか。

 ここで、自分自身の来し方を振り返ってみたい。初めての仕事は、学生時代の生活維持のためのアルバイト。その後、社会人となってからは、裕福な暮らしをしたいがための仕事。起業した目的もお金を儲けること。決して間違っちゃいなかったが、お金が目的の仕事のあり様に大きな違和感を覚えた。

 以来、随分と長いあいだこの違和感と対峙してきた。既に語った通り、〈イーパーセル〉との出会いが、この違和感を消し去ってくれた。〈イーパーセル〉の技術で世界を変える夢は、さめることがないまま、「社会に貢献したい」という揺ぎない志へと姿を変えた。そして、今がある。