ジム・ベアード氏は4年前、米大統領選の投票結果が次々と明らかになるのをソファに座って見ていた。初めは何事もなく進んでいた。だが、ドナルド・トランプ氏が予想外にリードすると、ダウ先物と海外市場は一気に下落していった。ベアード氏は顧客へのリポートを書くため、すぐにノートパソコンを開いた。朝5時まで眠らず、8時にはオフィスに戻っていた。「今年はその再現とならないことを願っている」。プラント・モラン・フィナンシャル・アドバイザーズ(ミシガン州カラマズー)の最高投資責任者(CIO)を務めるベアード氏はこう話す。3日に行われる選挙後の市況がどうなるかは誰にとっても予測困難だ。今週は今年一番の波乱が起きる可能性がある。各世論調査ではジョー・バイデン民主党候補がリードしているものの、多くの資産運用担当者やストラテジストは確信が持てずにいる。2016年大統領選でのトランプ氏の勝利、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決めた国民投票、新型コロナウイルスの世界的な大流行など、この数年間で市場を揺るがす数多くの衝撃に不意を突かれてきたからだ。