そもそも冒頭で述べたように、私が出かけようとした「イオンシネマ板橋」にはスクリーンが12あって、同時に19作の映画が上映されています。1つのスクリーンが1日で4~5回転するので、1日で数えると65本の映画が上映されています。

 そしてシネコンの経営としては、ヒットする映画のスクリーンを多くしたほうが収益を最大化できるので、必然的に『鬼滅の刃』のスクリーン数が多くなります。

 実際に数えてみると、『UFO真相検証ファイルPart 2』(ちなみにPart1より面白いらしいのですが、前述の理由で本稿執筆時点ではまだ見ていません)を含めて、実に14作の映画はスクリーンの割り当てが1日1回ないしは2回と、ほとんどありません。

 朝から晩まで同じスクリーンが割り当てられている封切り作は、話題の『とんかつDJアゲ太郎』など4作のみ。そして、それ以外のスクリーンはすべて『鬼滅の刃』に大半の時間帯が割り当てられているのです。

スクリーンの占有率から占う
『鬼滅』ブームの賞味期限

 合計すると『鬼滅の刃』は24スクリーン、比率でいえば全体の37%となり、ほぼ4割のスクリーンが『鬼滅の刃』で占められています。これは新宿のTOHOシネマズでも同じ状況で、IMAX上映を含めて『鬼滅の刃』は24スクリーン、全体の36%とほぼ同じでした。しかも、TOHOシネマズでは上映作品数も12作と、イオンシネマ以上に集客が見込める映画だけに絞り込んでいるのです。

 これが最新の経済合理性というもので、ヒットする映画に4割、『とんかつDJ』のような話題の映画に1割弱、それ以外の映画には2~4%のスクリーンしか割り当てないことで、リターンの高い映画に対する経営資源の集中が進んでいるのです。

 ここからもう1つ予想されることは、『鬼滅の刃』の話題の瞬間風速は40年前よりも大きく、話題になる期間は逆に短くなるということでしょう。今は社会現象となっている『鬼滅の刃』ですが12月頃には別の話題にバトンが引き継がれることになるのではないでしょうか。ちょうど9月にはあれほど熱く語られた『半沢直樹』への熱が、11月に入って収束してしまったようにです。