夏休み、そして行楽の秋。何かにつけ旅に出たくなる人は多い。気分をリフレッシュさせたり、新しい刺激を発見したり、旅は私たちを幸せにしてくれる。
そんな幸せのお裾分けともいうべきものが、お土産だろう。誰かからお土産をいただくとやはりうれしい。
美人はお土産がうまい。もらってうれしいのだ。旅の楽しさを共有できるような喜びがある。「あっ、いい旅をしてきたんだな」と思えて、こちらまで気持よくなる。
選ばれたお土産が「本当にあげたいから買った」と思えるものなのだ。これは自分用に選んでくれたのだと思えるもの。高価でなくても、気持が入っている。笑顔が見えるようだ。
心がこもった一つ一つのお土産は「美人のもと」をつくるのではないだろうか。
お土産は期待されていない。だから、「あげたいと思えるものと出会えばあげる」でいいのだ。そもそも、お土産ばかり探している旅はつまらないものだ。
ところが、お土産を買いに旅に行っているのではないかと思える人がいる。同じものを大量に買っている人だ。しかも大きなものを選ぶ。おかげで旅の帰りには大荷物だ。他人に配るので、きちんとバッグに入れることもなく、店でもらった袋に詰め込む。駅で袋が破れて困ってしまう。仕方なく、そこでしゃがみこんでバッグに押しこむ。そこが通路であっても。しゃがみこんで整理をしている人をみると「美人のもと」が減っていくのがわかる。
なんでそうなってしまうのか。まず、行く前に、旅行に行くことを言いふらす。そして、帰ってきて報告することが快感になっていく。期待もされていないのに、報告が義務になる。「旅行アピール」が激しいのだ。「うらやましいな」「すごいな」の声のために必死なのだ。他人に自慢することだけが喜びになっている。気づけば旅を楽しむのを忘れ、お土産購入に時間を支配される。
旅は、まず自分自身の楽しみであることを忘れないようにしたい。自分がとことん楽しむことに集中していれば、きっといいお土産とも出会えるのだ。それこそが「美人のもと」をつくる出会いなのだろう。