周りとは違うことを是とし、新しい事に挑戦する若者たち。その行動力はどのような環境で育まれてきたのか。今回は、AIと自然言語処理の技術を活用したビジネス意思決定サポートサービスを開発・運営するストックマークのCEO、林 達さん。自身の強みはリーダーシップにあると自覚し、起業とはその才能を生かす道だったと言います。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 深澤 献)

楽しそうにチャレンジする
大人たちが常に周りにいた

――ご両親は台湾出身なんですね。

林達・ストックマークCEO
達成、達人、到達、闊達、上達……さまざまな意味がこもった自分の名前が気に入っている Photo by Masato Kato 拡大画像表示

 はい。僕は日本で生まれて、小学校に入ってすぐ、親の仕事がうまくいかなくなって台湾に戻り、小学生のうちにまた日本に帰ってきました。以来ずっと日本です。

 日本での地元は北千住(東京都足立区)です。最近、住みたい街ランキングで人気が高まっているそうで、本当かなと思いますが、土手もあるし空き地もあるし、友達とは外でばかり遊んでいました。

 台湾では台中にある日本人学校に通っていました。学校はスクールバスで坂を10分ほど上った山の中にあったので、森に入って野生児のように遊んでいました。

――ご両親はどんな仕事をしていたのですか。

 主に貿易です。台湾の物産を日本に持ち込んだり、当時の台湾では日本の観光ビザが簡単には下りなかったので、台湾の富裕層向けに憧れの日本旅行の手配などをしていました。

 元々、母方の祖父がいろんな事をやっている人なんです。バブルの頃には、日本でウナギを売ればもうかると考えて事業を立ち上げてぼろもうけしたのですが、その後、破産しかけて夜逃げして、1年ほど音信不通だったのがふらりと戻ってきてお小遣いをくれたのを覚えています。

 何をやっているのか分からないけど、楽しそうにチャレンジしている大人が、常に周りにいました。だから台湾に戻ったときも、両親は「食えればいい」と言っていましたし、私も別に大丈夫だろうと思っていました。