「社員を幸せにすると生産性や創造性が上がる」と語り、個人の幸せとビジネスの関係などの「幸福学」を研究する慶應義塾大学大学院の前野隆司教授。特集『新しいマネジメントの教科書』(全18回)の#17では、これまでの世界から一変した新しい働き方の中で、社員を幸せにし、業績を伸ばすマネジメントの在り方について前野教授に聞いた。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)
「社員の幸福度」が
企業業績に比例するという現実
――そもそも「幸福学」とはどのような学問でしょうか。
心理学や行動経済学の分野で、人の心が幸せだとどんな良いことがあるかというのが明らかになってきています。それを働き方やものづくり、サービスづくりに生かしていくことも含めた研究・学問です。欧米の企業ではすでに、経営にこの視点を取り入れるようになっています。
――社員の幸福度と企業業績は実際、関連しているのでしょうか。