「売れそうにない」の壁を超えてヒットする商品は何が違うのか
独自性のあるヒット商品は「売れそうにない」の壁をどう超えてきたのか? Photo:123RF

多くの企業が「顧客志向」をうたう。一方で、実際に顧客価値を重視した商品やサービスを実現し、事業の成長に結び付けることができている企業はどれほどあるだろうか。多くの企業が抱える課題とは何なのか。ロート製薬、スマートニュースなど、さまざまな領域の事業・商品のマーケティングを指揮した経験を持ち、『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』の著者である西口一希氏が解説する。

成功する事業に
共通するもの

 これまでBtoB、BtoC問わずさまざまな業態のビジネスにかかわってきましたが、うまくいっているビジネスの共通点は、商品やサービス、事業の立ち上がりにおいて、非常に「独自性」があることだと感じています。

「独自性」とは何か。他とは比べられないもの、代替できない何かがあるということです。そして、それが便益を生み出していることが重要です。逆にいえば、今世の中に出ているサービスや商品で、独自性のない形でうまくいっているものはほとんどありません。

 ビジネスにおいては、よく「差別化」という言葉が使われます。英語でdifferentiation。この言葉、本来の意味では「独自化」のほうが、ニュアンスが近いような気がします。

 日本でいうところの差別化は、比較級の意味合いが含まれているように感じます。例えば、製品の担当者に「差別化のポイントは何ですか」と聞くと、だいたい「うちのほうが非常に軽い」とか「より早い」とか、そういう答えが返ってきます。ただ、それだけではその商品を買う動機付けとして弱い。

 その商品にしか提供し得ない独自の価値は何なのか。つまり代替できない部分がなければ、遅かれ早かれ価格競争に陥ってしまいます。そういう意味では、本当にやらなければいけないのは、「独自化」なのです。

 では、その独自性はどこから生まれるのか。自分自身が取り組んだケースや他者が行ったケース、いろいろ見てきましたが、必ず最初の起点は2種類に絞られます。