「ニューヨークに来て30年以上たつが、こんなことは初めてだ」。電話で話した友人が嘆いていた。彼のオフィスがある高層ビルの1階には多数のファッション店が入居しているが、米大統領選挙の週に暴動を警戒して店頭から商品を撤去した。
また、ビルの管理事務所は、当面午後7時までに社員を全員退社させるようテナント企業に通達したという。今まで大統領選は「民主主義の祭典」であって、暴動におびえるイベントではなかった。
「アメリカには夢があると思って日本から移り住み、子供もこっちの大学に入れた。しかし、これだけ分断が激しくなると、この国に住み続けることが正しいのか分からなくなる」と彼は話していた。