米製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンが、早ければ来月にも緊急使用許可(EUA)を受ける可能性が出てきた。だが欧米諸国は、ワクチンをいかに早く多くの人々に行き渡らせるかという大きな物流上の課題に直面している。ワクチン接種の先進的なプログラムがある富裕国でさえ、数々の問題が持ち上がるだろう。接種者を追跡する新たなデータベースの構築、若者の積極的な接種を促す施策、十分な供給量の確保、安全かつ迅速に注射を行える大規模な予防接種センターの運営といったことだ。要するに、たとえワクチンが近く承認されたとしても、欧米各国で再導入が相次ぐロックダウン(都市封鎖)措置を緩和するのに十分な規模の予防接種が行われるまでには、何カ月もかかるだろうということだ。