ジェニファー・バビンさん(28)は勤め先のパリのオフィスがすぐには再開しないと知ると、直ちに荷造りしてシチリア島の都市パレルモに向かった。「シチリアに移住できるこのチャンスに飛びついた。シチリアが大好きだから」。パレルモから、パリに拠点を置く保険会社への勤務を続けるバビンさんはこう話す。新型コロナウイルスの流行が欧米諸国の大半でなお猛威を振るい、多くのオフィスが冬の間に再開しそうもないことから、欧米では海外からテレワークをする人が増えている。パリやロンドン、ニューヨークの自宅を離れ、普通ならバケーションでしか行かない南イタリアやポルトガルといった温暖な地域から勤務している。コロナの流行で多くの国が米国からの観光客をまだ受け入れていないが、欧州連合(EU)加盟国は米国人の居住を認めている。