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毎年11月12日から25日までは「女性に対する暴力をなくす運動」期間とされている。コロナを機に増えていると言われるDVの相談や、あるいは性暴力被害について、適切な情報を必要な人に届ける必要がある。(取材・文/フリーライター 小川たまか)

人気の「人生相談」が炎上

 10月下旬、あるウェブサイトで連載されていた人気の「人生相談」コーナーが炎上した。夫との関係を相談した女性に対して、回答者が「ウソ」「大げさ」と根拠なく決めつける内容だった。

 回答者に批判が集まり、回答者と編集部が謝罪している。

 回答はひどいと感じるものだったが、謝罪により騒動が収まっているので、改めて批判する気はない。書きたいのは、DVなどの被害当事者にとっての言語化の難しさだ。

 女性の相談内容は「DV」や「モラハラ」を感じさせるような内容として紹介され、読んだ人の多くが「DV相談」という言葉を使っていた。そのため、この炎上の顛末を「女性からDV相談を受けた回答者が、ウソと決めつけたことで批判を浴びた」と理解している人が多かった。

 しかし女性の相談文をよく読んでみると、彼女は一度も「DV」や「モラハラ」という言葉を使っていない。夫から何度もダメ出しをされたり、深夜にたたき起こされたりしたとはつづっているものの、それを「これはDVでしょうか?」「モラハラではないかと思う」と相談する内容ではなかった。ただ、夫婦間の不和として書き、それでも「離婚に踏み切れない」と相談していた。DVという言葉を使ったのは、編集部や読者たち読み手側だった。