今後の動向は株価次第ということになりそうだが、足元では首都圏、とりわけ都心で在庫が急速に減少し、1つの物件を多数が奪い合う構図で価格上昇圧力がかかっている。個々の取引を見ても、相場から見ればやや高めに思えるものも、そのままの価格で流通しているケースが増加している実感がある。

新築戸建て市場も
順調に推移

 新築戸建て市場も緊急事態宣言明けからは順調だ。

 都市部を中心に新築戸建てを供給するオープンハウスは2020年9月期の連結営業利益が620億円と8期連続で過去最高更新を見込み、飯田グループホールディングスも2021年3月期は4期ぶりに最終増益を見込んでいる。その他新築戸建てを供給するケイアイスター不動産やポラスグループなども足元は販売好調のようだ。

 これはコロナを避けて郊外に移る人が増えているというより、超低金利の追い風を受け、2~3LDKの賃貸住宅を借りていた人たちが、家賃並みの支払いで4LDKの新築戸建てを購入していることが背景にあると思われる。

 総務省によると、東京都の人口は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた4月から9月までの半年間、転入が19万4395人だったのに対し、転出が19万9937人で、転出が転入を5542人上回る「転出超過」となった。だが、そのほとんどが外国人で、日本人に際立った動きはない。

「リモートワーク(在宅勤務)が広がり、都市部での密を避け郊外や地方への移動が増える」と多くの専門家が予想したが、現実にはそうならなかった。むしろ、可能な限り公共交通に乗らないよう、都心や駅近の住宅を求める人が増え、不動産市場の3極化(価値が維持もしくは上昇する、徐々に価値を下げ続ける、無価値もしくはマイナス価値になる)がさらに進んだというのが実態だろう。