経済低成長期こそ「ブランド戦略」が企業の明暗を分ける理由
企業にとってブランド戦略とはどんな意味を持つのか? Photo:PIXTA

消費者の価値観や生活様式も大きく変わる中で、長く支持されていくブランドを作り上げることは企業にとって大きな課題だ。これからのブランドはどうあるべきなのか。「2020年代のブランド戦略」をテーマに、中央大学ビジネススクール教授の田中洋氏が解説する。

これからの「ブランド戦略」はどうなるか
短期的・長期的な課題とは?

 本稿では、ブランドが2020年代にどのように変化するか、どのような戦略あるいは考え方を取るべきか、戦略的にどのようなポイントが重要な課題になるのか、を明らかにしたいと思います。

 新型コロナウイルスの第3波が襲っている現状で、ブランドのこれからのありようについてどのようなことが言えるでしょうか。ここでは、まず短期的にブランドについて言えることと、長期的な見通しに立って言えることとを区別しておきたいと思います。時代の潮流が激しく変化するなか、ブランドがどのように変化するのか、見通しが立ちにくいことがあるからです。

 本題に入る前に、ブランド戦略とは何かを手短に考えてみたいと思います。私の考えでは、ブランド戦略とはブランド価値を高めるための企業行動です。ブランド価値とは、ブランドが持つ知名度や知覚品質、消費者のブランドへの態度(好き・嫌い、買いたい程度)などの要素のことです。

 それでは、ブランド価値を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか。