千葉氏は「これまではコンビニでトレンドコスメを買うという発想がなかったと思う。もし今回の展開が当たったら、セブン-イレブンやローソンもこういう形の展開をやりたいと思うのではないか」と自信を見せた。

なぜ今オフラインで販路を広げるのか

 しかし、EC事業を強化するのは分かるが、なぜ今の時代にわざわざオフラインでの販路拡大を目指したのだろうか。

 流通・卸売業界を大事にしてきた化粧品メーカーにとって、EC事業は長年タブーとされてきた。その業界的な風習もあり、経済産業省が20年7月に発表した調査結果によると、コスメのEC化率はわずか約6%。「事務用品、文房具」の約41%、「書籍・映像・音楽ソフト」の34%などに比べて低い。

 ただ、逆に今後の伸びしろは大きいともいえる。だからこそノインは、EC事業が第一ではあるものの、それを拡大させるためにはオフラインで認知度を広げることが重要と考えて、事業提携ベースでオフライン販売を拡大していくつもりだという。

「ECは確実に伸びるものだと思うが、オフラインでのコスメ販売は今後も残ると思う。戦略としては、リアルとEC両方やることが重要です。コンビニはコスメを買う場所として認知されていないが、そこを開拓することに意味があると思いました。ドラッグストアも15年ほど前はコスメを買う場所ではなかったが、今はそれが普通になってきています。コンビニもそうなれるんじゃないかと思います」(千葉氏)

 ノインは来春、別の商品ラインナップも既に開発しており、ファミリーマートで販売する予定だ。コロナ感染拡大が収束し、マスクを外してメイクできる頃には、コンビニでトレンドコスメを買う人が増えているかもしれない。