「こんまり」こと近藤麻理恵は、今や「片づけ」プロフェッショナルとして、世界で最も知られる日本人の一人となりました。2015年雑誌「TIME」の「世界で最も影響力のある100人」に選出、2019年には彼女独自の片づけ法「こんまりメソッド」をテーマにしたドキュメンタリー番組が動画配信サービス「Netflix」でシリーズ化。「KonMari～人生がときめく片づけの魔法～（Tidying Up with Marie Kondo）」は世界190の国と地域で配信されました。同年にはテレビ番組のアカデミー賞とも言われる「エミー賞」で、2部門ノミネートされました（これは日本人初の快挙だそうです）。
麻理恵さんの世界進出の戦略を手掛けてきたのがプロデューサーであり夫でもある私、川原卓巳でした。日本で活動していた彼女が、どのような流れで世界を舞台に活躍することになったのか。
初めて書き下ろした書籍『Be Yourself』では、麻理恵さんと二人で歩いてきた「自分らしく輝く」ための道のりをご紹介しています。特別なスキルや努力は必要ありません。あなたが、あなたらしく戻ること。そのためのステップをまとめました。本記事では具体的に、あなたがあなたらしく輝くためのメソッドをご紹介します。（構成：宮本恵理子）
心のモヤモヤは全部、吐き出す
これまで自分を知るための方法をお伝えしてきました（詳細は「自分らしさを知る最強の方法、それが「片づけ」だ」「自分の魅力って何？答えはあなたの「外」ではなく「内」にある」「「やりたくないリスト」を書き出せば自分の輪郭が見えてくる」「あなたは何が好き？ヒントは無理なく続けていることにある」）。
あなたを取り囲む環境を片づけて、ムダな時間を手放し、続けられそうな好きなことを見つけたら、次に実践するのは、人間関係とそこから生まれる心のモヤモヤを整理していくこと。
日々暮らすうちにまとわりついてきたしがらみや、「こうじゃないと」と他人から押しつけられた「べき論」、そして自分を良く見せようとする見栄……。
払っても払ってもまたついてくる。だから定期的にモヤモヤの片づけが必要です。
僕が普段しているのは、頭の中にあるモヤモヤをとにかくバーッと吐き出すこと。
方法は何でもいいのですが、僕の場合はキーボードをひたすら打って、iPhoneのメモ機能に書き出しています。
誰かに見せるわけでもないから、まとまらないままでオーケー。とにかく頭に浮かんだ順に、あなたの脳みそを埋めている思考や、中でも人間関係にまつわるモヤモヤを全部、吐き出してみる。
書き出した後、テーマごとに区切ってみると、「へー、今、こんなことにこだわってるんだ。ここに迷いの原因があったんだな。ふむふむ」と冷静に見つめることができます。
チェックポイントは、書き出したメモの長さ。
数行でスッキリ書き終えているテーマは問題なし。それだけクリアだということですから。
要注意なのは、やたら長くてあーだこーだと言い訳交じりの文章になっている場合。
長くとはどれくらいかというと、目安はスマホの画面で表示してみて、スクロールしないと読めない分量になるくらい。行数にして20行を超えたら、脳内がゴチャついているサイン、というのが僕の感覚です。
短くまとまらないのは、自分の中で納得できない部分がある証拠。すぐに解決できる方法はあるのか考えてみましょう。そして、解決できないのなら、手放すことも選択肢に入れてみましょう。
Photo by 竹井俊晴
