株価を予測する上で
2021年の注目材料とは?

「日本経済新聞」(12月1日)の記事によると、米国の米ダウ工業株30種平均と日経平均株価の予想PER(株価収益率)は共に25倍だという。経験則的には「やや割高」なゾーンに入っている。

 もっとも、日本株の場合は、PBR(株価純資産倍率)がまだ1.5倍(東京証券取引所第1部平均)〜1.7倍程度(日経平均)であるし、株価が上昇したとはいえ、東証1部の配当利回りは2%近い。要は効率よく利益を稼いでいないのだが、これはむしろ「伸び代」があると考えるべきだろう。

「もう・まだ」の判断は難しいが、金融・財政の緩和に曇りがなければ、バブル崩壊が起こるような状況ではなさそうだ。

 米製薬大手ファイザーのコロナワクチン承認に続いて、モデルナの製品も承認される見通しだという。近く接種が始まる見通しのコロナのワクチンは株価にとって微妙な材料だ。当面は、現状の金融・財政政策が維持される中で、ワクチンによって経済活動が活発化するなら、企業の業績は向上する。ワクチンが効果的であることは、素直に株高につながる材料だ。

 利益が伸びる分、株価が上昇するということなら、PERは上昇しない。その状況の中の「PER25倍」であれば、それほど恐ろしくない。

 しかし、ワクチンが効果を発揮して経済活動が活発化し、失業率が下がる、インフレ率が上がるなど金融・財政両面でのコロナ対策が正当化できない状況が見えてくると、バブル崩壊の可能性が育ち始める。

 実際には、ワクチンの効果が出るまでに数カ月から1年くらいかかる可能性がありそうで、常識の世界ではそのことが問題だ。内外の中央銀行による金融緩和は継続するだろうし、給付金や信用保証といった金融緩和の後押しにつながる財政的な措置は今後も発動されるだろう。

 あれこれ考えると、来年も株価上昇が続きそうに思えるし、その継続をコロナが支えるかたちになるだろう。政府が信用拡大の主役となり、これに民間企業(の欲張りな経営者)が債務を拡大して自社株買いを行うようなお手盛りで尻馬に乗ると、このバブルの天井は高いかもしれない。

 筆者が営業部隊を抱える証券会社のストラテジストなら、ニューヨークダウで4万ドルの少し手前、日経平均は3万5000円くらいの「目標株価」(何の意味もないかけ声のようなものだ)を掲げたくなるような状況だ。