『世界一受けたい授業』など多数のメディアで注目されている“HSP(Highly Sensitive Person)”をご存じでしょうか?「些細なことが気になって疲れてしまう」「真面目すぎる」など、個人の性格だと思われてきたものが、研究によって、実は「生まれつき繊細な人」が「5人に1人」の割合でいることがわかってきました。
発売から立て続けに重版し、累計10万部を突破したHSP専門カウンセラー・武田友紀氏の『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社刊)では、そんな生まれつきの気質を持つ「繊細さん」が、「繊細さん」だからこそ深く味わえる幸せに気づき、伸ばしていくコツを紹介しています。本記事では、同書より一部を公開します。(こちらは2020年4月24日の記事の再掲載です)
繊細さんは聞き上手
個人差はありますが、繊細さんは聞き上手な方が多いです。職場で相談されたり、友人どうしでも聞き役になることが多かったり。なかには「あまり親しくない相手からも悩みを打ち明けられる」という人も。
これはスキルによる聞き上手ではなく、相手の言葉を深く受け取る、親身に耳を傾ける、相手を尊重する、といった繊細な感性がもたらす上手さです。価値観の異なる相手であっても簡単には否定せず、話の背景に思いを馳せて「そういう考え方があるんだ」「それもいいね」と、おおらかに話を聞ける。話し手からすると、安心して話せるし、受け止めてもらえる感じがするのです。繊細さんの聞く力は、まわりの人たちの力になっています。
繊細さんは聞き上手とご紹介しましたが、もしも「話を聞くと疲れるなぁ」と思ったら、振り返ってみてください。はて、自分はそもそも相手の話を聞きたいのか? それとも義務感から「聞いてあげなきゃ」と思っているのか? と。
会話して元気になるのは、お互いに「話したいし、聞きたい」ときです。聞き役と話し役が交互に入れ替わり、「話しては聞き、聞いては話す」ができるから、満たされるのです。
もしも本音では「聞きたくない」と思っているのなら、快く聞ける状態ではありません。人間ですから体調もキャパシティもありますし、「自分は話すけど、相手の話は聞きたくない」という人の話は一方的で、聞いていて疲れるものです。
まずは「今、この人の話を聞きたい?」と自分の本音を確かめてみましょう。本当は聞きたくないな、イヤだなと思ったら、上手に聞く方法を探すよりも、まずはつかまらないようにしたり、つかまったときでもさっと逃げる方に注力してください。まわりに逃げ上手な人がいれば、観察して真似してみるのもいいですよ。
「今は話を聞ける状態じゃないから、ごめんね。また今度」あるいは「この人の話はしんどいから、逃げる!」で、いいのです。聞き上手なのは繊細さんの強みですが、強みは、自分の意志のもとに使ってくださいね。