12月10日が冬のボーナスの支給日である会社や役所が多いようだ。コロナ禍の影響で前年よりも金額が少なくなる人も多いだろうが、ボーナスシーズンを機にお金の扱い方を点検しておこう。ウィズコロナ、あるいはアフターコロナの資産運用における3カ条と、家計管理の基本である節約の3カ条を中心にお伝えしたい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
12月10日がボーナス支給日の人が多数
これを機にお金の扱い方を総点検
側聞するに、多くの会社や役所で12月10日(木)がボーナス支給日らしい。新型コロナウイルスによる経済不調の影響を受けて、官民共に前年比マイナスとなる見通しだが、一時にまとまった金額の収入があるのはサラリーマンにとって嬉しいことだ。
筆者にとって、日系企業で年に2回ボーナスをもらっていた就職後10年程度の期間は、「ボーナスは生活費の補填資金」だった。支出管理劣等生だ。30代の前半に外資系の会社に転職して、その後、ベースサラリー(固定年俸)+ボーナスの形で収入を得るような働き方に変わってからは、「ボーナスは年収を決める一大イベント」(外資系企業では通常年に1度だ)となった。
何度も転職したので、ボーナスを満額もらえなかったことが通算6回ほどある。サラリーマン兼評論家のかたちで働くようになった直近20年間はボーナスに縁がない。ボーナスというものがない1年は、幾らか味気ない。
ボーナスとの距離が遠ざかった現在、改めて考えると、年に1度、本人の仕事のパフォーマンスに応じてボーナスを支払う外資系企業的なやり方が合理的であるように思う。もちろん、年によって大きな変動があっても構わないし、個人差も大きくあって当然だろう。
あたかも安定した収入であるかのように、多少の変動はあっても年に2回、だいたい見当がつく額が支払われる日本式は、本来変動するボーナスを大いに当てにして住宅ローンを組むような無理を生みがちだ。今年はコロナの影響で、業種や企業によってはボーナスが大きく減ったり、なくなったりしたケースが少なくないだろうから心配になる。
前述のように、今の筆者にはボーナスが「ない」のだが、ボーナスシーズンを機にお金の扱い方を点検しておこう。