社内のコンピューターネットワークに侵入したハッカーに画期的な手法で対処しようとする企業が増えている。犯人を獲物に近づいていると思い込ませ、わなにはめるやり方だ。そうした企業の1つが、米ミネソタ州ミネアポリス郊外に本社を置く農業関連企業ランドオレークスだ。「製造工場のテクノロジーは保護が難しい。加工機や発電機、タービンは20年前に開発されており、セキュリティーがほとんど考慮されていない」。ランドオレークスで最高情報セキュリティー責任者(CISO)を務めるトニー・テーラー氏はこう話す。ハッカーが乳製品工場を停止させれば、「既に代金を支払った大量の牛乳が無駄になる。バターを作ることもできない」という。