11月の米国の非農業雇用者数は前月比24.5万人増だった。6月は478.1万人増、8月は149.3万人増、10月は61万人増だったので急減速している。最近の新型コロナウイルスの感染拡大を考慮すれば、この先はさらに厳しくなるだろう。
それなのにこの統計が発表された日に株価指数は上昇した。景気失速への懸念は米議会に追加景気対策を促すことになるからだという。逆に統計が予想以上に良かったとしても、やはり株価は上昇していただろう。何であれ株を買いたがる人々が大勢いるからだ。
この12月4日までの10年間のS&P500種株価指数の上昇率は202%にもなる。他方、2020年までの10年間の米国の名目国内総生産(GDP)の拡大幅は39%とみられる(国際通貨基金〈IMF〉推計)。株価と実体経済が激しく乖離している。