米国の10年債利回りや30年債利回りは6月の最高水準を明確に上回ってきた。
市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)が急激な金利上昇は認めないという安心感は変わらないもようだが、レンジの中心が徐々に切り上がってきているとのコンセンサスが形成されている。
年末にかけての長期金利上昇の主因はBEI(ブレークイーブン・インフレ率、期待インフレ率)の上昇であり、10年債のBEIは1.9%を上回っている。これは2019年5月以来の水準で、つまり、市場のインフレ期待はコロナショック前に戻ったといえる。
8月にFRBがインフレ率のオーバーシュートを容認して以降、BEIは上昇しやすい環境だったといえるが、足元では二つの新たな要因がBEIを後押ししている。