米国は金融サービス業界で支配的な地位を維持しており、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティーから、銀行、資産管理に至るまでほぼすべての金融分野のリーダーとなっている。米資本市場の流動性と規模がドルの優位性を支えており、これが米国の輸入品への支払額を減らし、政府財政の資金調達を助けている。しかし、下海外では外国との競争、国内では近視眼的で非生産的な政策により、金融面での米国のリーダーシップは危うい状態にある。バイデン次期米政権は、金融面での米国の卓越した地位の維持を優先課題と位置付けるべきだ。ロンドン、香港、東京など極めて完成度の高い金融センターが、米国のリーダーシップに挑戦するというのが、これまでの一般的傾向だった。しかし今後数年は、中国本土が金融サービス分野での侮りがたい挑戦者として台頭してくるだろう。
【寄稿】揺らぐ米の金融支配 中国台頭の現実
有料会員限定
あなたにおすすめ