ポーランドのビデオゲーム会社CDプロジェクトレッドは、今年初めに新型コロナウイルス禍に見舞われた際、ハリウッドスターのキアヌ・リーブズを起用した同社史上最大の作品を仕上げている最中だった。だが、リモート作業への移行でさまざまな問題に時間を浪費し、開発は難航した。10日、その大作「サイバーパンク2077」が3度の延期を経てようやく発売された。遅延によってファンの期待はあおられたが、プロジェクトのコスト増加で成功の計算には狂いが生じた。CDプロジェクトの苦闘は、競争の激しい急成長するビデオゲーム市場で非大手企業が大作を開発する難しさに加え、制作チームをリモートで管理する煩雑さを物語っている。この作品が大ヒットすれば、CDプロジェクトにとってチャンスかもしれない。同社にはこれ以外の大型作品が1つしかないが、「サイバーパンク」はこの年末商戦に発売される業界で唯一のオリジナル大型タイトルであることから、一身に注目を集めている。