VC業界にIPO活況が波及、セコイアの目利き目立つPhoto:Education Images/gettyimages

 シリコンバレー周辺のベンチャー・キャピタル(VC)のオフィスは総じてもぬけの殻のままだが、会社の「金庫」は近いうちに、巨額の利益であふれそうだ。背景には、出資先のハイテク新興企業が今年、想定外の活躍を見せていることがある。

 料理宅配大手の米ドアダッシュと民泊仲介サイトの米エアビーアンドビー(Airbnb)の大型上場により、今年は新規株式公開(IPO)の調達額で過去最高となった。ディールロジックによると、10日時点で、IPOによる調達額は1570億ドル(約16兆3300億円)に達し――このうちおよそ3割が過去11週間に集中――上場数でも、情報技術(IT)ブームの終盤にあたる2000年以来の高水準となった。