世間では「企業が人員削減(リストラ)のためにコンサルタントを雇う」と考える人も少なくないようだ。つまり、経営者自らが人員削減を提案・実行するのはやりにくいので、外部のコンサルを雇って行うケースがあると思われているようだ。確かに、顧客企業の経営改善やビジネスの成功のためには、死力を尽くすのがコンサルだ。果たして、大手コンサルタント会社のコンサルが人員削減に加担するケースはあるのだろうか。(リポタ株式会社代表取締役、経営コンサルタント 中野豊明)
コロナ禍で
企業の倒産が増加
帝国データバンクによると、12月15日時点の新型コロナ関連倒産社数は800件となり、5月以降ほぼ毎月100社ペースでの増加が止まらない。
先が見えにくい経営環境において、企業各社は事業構造そのものを見直す動き(リストラ)を活発化させている。
リストラは本来、事業構造の変革やそれに伴う組織再編を示す言葉だが、日本では即座に「人員削減」を想起する人も少なくあるまい。
そもそも「ビジネスの活性化」を果たすことを期待されるコンサルであるが、人員削減を意図した「日本流のリストラ」に大手コンサルが加担するケースなどあるのだろうか?