ターミナルビルは、航空会社から安定した賃料収入が入るほか、物品販売の高い利益も寄与し、自己資本比率が全社平均で70%を超え、厚い内部留保で健全経営の代表格でもあった。大半が地元自治体なども出資する第三セクター方式で運営され、経営幹部の椅子は「天下りポスト」として批判されることもあった。

 そこに登場したのが、航空部門と非航空部門の一体経営と、空港の民営化だった。

 空港民営化は2013年施行の民活空港運営法を契機に、動きが加速。2016年7月に仙台空港が国管理空港として初めて民営化に踏み切った。ターミナルビルや物流関連会社を吸収合併し、新会社として仙台国際空港が発足。東急電鉄グループなどの企業連合が出資し、滑走路とターミナルビルの一体経営に着手した。

 仙台国際空港は設立2期目から黒字化を達成し、民営化以降は国際線の就航が増え震災復興のシンボルとしても注目された。このほか、オリックスとフランスの空港運営会社などが共同運営する関空、伊丹、神戸の近畿3空港、三菱地所などが運営する高松のほか、2019年には福岡、静岡、南紀白浜などが相次いで民営化され、一体経営に移行した。

 こうした空港民営化推進の下支えしたのは、インバウンド(訪日観光客)やLCC路線の増加だった。国内全空港の乗降客数は、リーマン・ショック後の2012年度以降、2018年度まで7年連続で増加した(国交省調べ)。右肩上がりで増え続ける乗降客を前提として、「空港経営はもうかる」というもくろみがあったからこそ、民間企業各社が空港運営に名乗りを上げた。

 だが、新型コロナに見舞われた2019年度の乗降客数は8年ぶりに減少に転じた。もともと一体経営だった成田と中部国際の2社を加えた「一体経営型」空港運営会社は、全国で12空港・11社を数える。このうち、経常損益が判明した9社の同期決算は、新型コロナの影響が大きく4社が赤字、4社が減益となった。

 好調だった仙台国際空港も、発足時以来の最終赤字に転落。関空と伊丹を運営する関西エアポートも、2016年4月の民営化後、初めて営業・経常損益ともに減益となった。