一般的に、米中覇権戦争は、ペンス副大統領の「反中演説」(2018年10月)で始まったといわれている。

 しかし、詳しく米中関係をみると、両国の覇権戦争は2015年3月に始まったことがわかる。

 そして、覇権戦争を始めたのはオバマ、バイデン政権だった。

 だから、「バイデンが大統領になれば、オバマ時代に逆戻りして、親中政権になる」という話にはならない。

「バイデンは、グローバリストだから親中」は
古い情報による考え方

 日本には、「ナショナリズム 対 グローバリズム」で世界情勢を解説する人たちが、少なからずいる。

 この世界観によると、「トランプはナショナリスト」「バイデンはグローバリスト」である。

 筆者も、これに異論はない。

 トランプは、どう見てもナショナリストだし、バイデンはグローバリストだろう。

 さらに、「ナショナリズム 対 グローバリズム」で世界を見る人々は、「トランプはナショナリストだから反中」「バイデンはグローバリストだから親中」という解説をする。

 だが、「グローバリストは親中」というのは、「古い情報」による考え方だ。

 米中関係は1970年代初め、ニクソン、毛沢東時代に改善された。その理由は明確で、「ソ連の脅威に対抗するため」だ。その後、両国関係はずっと良好だったが、80年代末から90年代初めに悪化した。

 原因は、1989年に起こった天安門事件と1991年末のソ連崩壊だ。

 デモ隊を虐殺した天安門事件で、米国は中国の「本性」を知ってしまった。そして、ソ連が崩壊すると、事実上の「米中同盟」は、「最大の敵」を失い、存在意義がなくなってしまった。

 中国は、このピンチをどう克服したのか?

 米国防総省顧問だったマイケル・ピルズベリーは、その著書「China2049」で、「クリントン・クーデター」について書いている。

「クリントン・クーデター」とは、何か?