中国の鳴り物入りで設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)が誕生してから、もうすぐぐ5年が経とうとしている。AIIBの設立は当時、アジア開発銀行(ADB)や世界銀行に挑戦しようとする中国の意欲を反映したものだと評された。だが、それから5年が経過した今でも、現実はそうした姿にはほど遠い。AIIBの資産保有高は9月末時点で307億8000万ドル。中国主導のもう一つの国際金融機関である新開発銀行(NDB)が保有する193億2000万ドルを加えても、ADBが持つ2508億ドルの5分の1にも満たない。そればかりか、世銀の構成機関である国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)よりも少ない。これら3機関を合わせた資産保有額は6000億ドル超に上る。