ジミー・ライ(黎智英)氏(72)をはじめとした香港の民主主義支持の中心人物らの収監が何を意味するのか、見誤ってはならない。中国はジョー・バイデン次期米大統領を試しているのだ。黎氏は、香港で最も人気のある新聞「蘋果日報(アップル・デイリー)」の創業者で、現在、中国が香港で強行導入した新たな国家安全維持法に違反した罪などに問われ収監されている。黎氏が2019年の訪米の際にマイク・ペンス副大統領、ナンシー・ペロシ下院議長ら米国の政治家と会ったことに、中国が激怒したことをわれわれは知っている。国家安全維持法違反容疑の元になったのは、同氏が外国政府に対し、香港と中国政府への制裁実施を促したことだ。黎氏は、保釈請求を却下され、拘束された姿を市民の目にさらされた。香港で発行されている中国共産党の機関紙「大公報」は、裁判のため黎氏を中国本土に移送すべきだと伝えている。黎氏の友人らは、それが同氏への死刑宣告になるのではないかと懸念している。
【社説】黎智英氏の収監、バイデン氏試す中国
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