5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」 氷河期、バブル…どの世代が損をした?#29Photo:PIXTA

金利上昇は本来、不動産株の逆風だ。だが、足元ではオフィス賃料の上昇や物件売却益の拡大がそれを上回り、大手デベロッパーの業績はなお強い。三井不動産と三菱地所は最高益更新が視野に入り、住友不動産も増益基調、東急不動産ホールディングスもオフィス市況を追い風に利益を伸ばす。こうした4社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#29では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、三井不・三菱地所・東急不は若手の社員が勝ち組、住友不はOB世代が優位だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

金利高でも利益成長が続く不動産4社
オフィス、分譲、成長投資で差

 三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産ホールディングス(HD)の4社は、同じ不動産大手に見えても、実際には「何で稼ぎ、どこを伸ばし、次の柱を何にするか」が異なっている。金利上昇は逆風だが、それを上回る賃料増額や売却益の拡大が業績を押し上げている。海外投資家の不動産株への関心も強く、インフレ下で資産価値が見直されている。

 三井不動産は、2025年4~12月期の純利益が前年同期比52.7%増の2198億円と大きく伸び、通期見通しも2700億円へ上方修正した。オフィス賃貸に加え、高級マンションや投資家向けの物件売却が業績を押し上げている。

 三菱地所も好調だ。25年4~12月期の純利益は48.0%増の1565億円となり、通期見通しも2200億円へ引き上げた。丸の内を中心としたオフィス賃料の上昇に加え、物件売却や政策保有株の売却が利益を押し上げている。一方、住友不動産は売上高こそ微減だったが、純利益は1748億円と2桁増益を確保した。東京のオフィス空室率改善と、マンション価格上昇を背景とした採算改善が効いている。

 東急不動産HDの業績も強い。25年4~12月期の純利益は621億円と31.1%増え、売上高、純利益共に同期間で過去最高を更新した。好調なオフィス市況と不動産仲介事業の東急リバブルが寄与している。同社は自社株買いよりも、住宅や再生可能エネルギー、既存オフィスの改修などへの成長投資を優先する方針で、増益の果実は増配で返していく考えだ。

 もっとも、足元の業績が良いからといって、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回は三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産HDを取り上げる。4社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、三井不動産、三菱地所、東急不動産HDは若手の社員が勝ち組となった。一方、住友不動産はOB世代が最上位で、4社の傾向は異なるものになった。次ページでその詳細を確認しよう。